【メディエイド、患者コミュニケーション・プラットフォームを通じて新たなヘルスケアビジネス構築を支援】

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2005年の創業以来、一貫して「患者参加型の医療社会の実現」をテーマに掲げるメディエイド。日々の食事やバイタルなど、医療機関内だけでは把握できない日常的なデータを活用することが、今後のヘルスケア領域で求められる。患者と医療機関・薬局、さらには介護従事者や健康経営に取り組む企業などのヘルスケア・ステークホルダーとを、患者だけがもつ情報であるパーソナルヘルスレコード(PHR: Personal Health Record)を活用した「ライフパレット・プラットフォーム」を通じてつなげ、ヘルスケアデータの共有やコミュニケーションの実現を目指す。

患者のヘルスケアデータにアクセスする新たなコミュニケーション方法

メディエイドは、患者と医療・介護従事者との情報共有とコミュニケーションを支援するため、「ヘルスケア×デジタルトランスフォーメーション(DX)」を掲げている。その代表例となりそうなのが、ライフパレット・プラットフォームだ。

ライフパレット・プラットフォームとは、患者自身がバイタルデータを管理できるだけでなく、そのデータをもとに医療従事者や介護従事者などとコミュニケーションができるプラットフォームの構想である。「地域医療」という言葉があるように、在宅医療においては患者データを医療機関内だけで保有するだけでなく、介護事業者や薬局も含めて包括的に情報を取りまとめる必要がある。しかし、現状ではノートなど紙媒体や、メールによる非同期的な手段がほとんどであり、情報共有という点において改善の余地は十分にある。

ライフパレット・プラットフォームの土台となる、個々のデータ共有については既にアプリとしてリリースされている。例えば「食事パレット」は、毎日の食事を写真に撮って保存し、食べた食品を検索してカロリーや栄養素、さらに体重や運動量を簡単に記録できる。それだけでなく、管理栄養士が食事内容や時間をリアルタイムに把握して、食事指導や目標設定などを行うサービスも利用できる。

「からだパレット」は、血圧や血糖値などのバイタルデータを記録でき、さらにかかりつけ医療機関に登録することで、医師や看護師がウェブを通して患者データを把握できるようになっている。他にも「メディカルパレット」ではかかりつけ薬局を登録し、からだパレットに記録したバイタルデータの共有や処方箋の事前送信に加え、薬剤師とのコミュニケーションが可能だ。さらに来局窓口となるタブレット向けサービス「machi+ai」を提供する。来局目的に応じた受付を可能にし、薬の受け渡しをスムーズにすることや、受付数の時間ごとの分析も可能だ。

また製薬企業向けにも、ライフパレット・プラットフォームに接続できるアプリやプラットフォームを提供している。具体的には、IBDを対象にした排便記録や通院記録、アンケート機能などを搭載したアプリ「IBDホーム」や、低栄養状態を簡単なアンケートで把握することができるアプリ「MNA プラス」がある。また2020年には、フィットネスクラブと提携して医師と運動履歴などを共有する運動療法サービス向けにプラットフォームをアステラス製薬向けに提供した。現在、さらにLINEを活用した新たな患者コミュニケーション・サービスのローンチも控えている。

これら患者とヘルスケア・ステークホルダーのつながりを作るサービスが「パレットライン」であり、パレットライン同士をさらにつなげることで患者と、医療従事者などのヘルスケア・ステークホルダーが相互にコミュニケーションできるようなサービス「パレットサークル」にまで発展をさせていくことを将来的に構想する。現在は医療機関や薬局との連携が主だが、将来的には介護領域など多職種で連携できるものにしたいと、代表取締役社長の矢島弘士氏は考えている。

UX視点に立ってワンストップで進められる強み

メディエイドが上記のような事業を始めるきっかけとなったのは、東日本大震災だったと、矢島氏は振り返る。地震や津波により大量のカルテが紛失し、同時にクラウドサービスが広がったこともあり、患者自身がバイタルデータやお薬手帳などの健康データを管理することと、クラウドを活用したデータ共有の機運が高まったのだという。

矢島氏はSI企業にいたこともあり、ヘルスケア領域でSIサービスを立ち上げることになった。それから顧客からの依頼を受け、薬歴システムと連携した訪問薬剤師向け在宅システムや、電子版お薬手帳サービスなどの構築を続けてきた。

こうした経験からノウハウを積み重ね、少しずつ自社でもつべきプラットフォームの構想が見えてきた中で、2016年にそれらの経験やノウハウなどをすべて投入して新たに開発したのがライフパレット・プラットフォームである。ヘルスケアプラットフォームは類似サービスが多くあるが、メディエイドならでは強みとして矢島氏は「食事パレットやからだパレットなどの各サービスを1つのプラットフォーム上でシームレスにつなげるというコンセプトがあります。」と話す。このコンセプトに同意し、患者と新たなつながりを作りたい製薬企業や医療機関とさらに提携を結ぶ、さらにはその上の新たなヘルスケアビジネスを構築することを支援していくことが、今回のhealthTECH JAPANに出展した理由だという。「サービス設計やシステム要件定義からシステム構築・運用までをUX視点に立ってワンストップで進められるのも大きな強みです」(矢島氏)と、自信を見せている。

取材・文:GH株式会社 島田