【タカラバイオ、連日のセミナーで遺伝子治療やCDMO事業の取り組みを紹介】

小間番号: C-42

タカラバイオは、主催者セミナー『さらに実用化に近づいた遺伝子治療』で講演し、さらにスポンサーセミナーとランチョンセミナーを開催する。遺伝子治療や再生医療等製品のほか、今、注目のシングルセル解析をテーマに、現状や課題、その解決に向けた研究開発状況を紹介する。

主催者セミナー

10月10日(水) 13:30-15:00  F201 会場
『さらに実用化に近づいた遺伝子治療』

スポンサーセミナー

10月11日(木) 13:15-14:45  F205-206会場
『再生医療等製品の開発、実用化とその課題』

ランチョンセミナー

10月12日(金) 12:00-13:00  F203会場
『シングルセル解析の最前線』

遺伝子治療の実用化に向けて

▲タカラバイオ本社 (滋賀県草津市)

タカラバイオが注力しているのが、遺伝子治療薬の開発と再生医療等製品の開発・製造支援事業であるCDMO事業だ。遺伝子治療薬の開発では、腫瘍溶解性ウイルスC-REVとCAR-Tなどの遺伝子改変T細胞療法の2本柱でがん治療を目指している。

C-REVの臨床開発は、米国でメラノーマを対象とした第Ⅱ相臨床試験が終了しており、国内でも第Ⅱ相臨床試験(メラノーマ)、第Ⅰ相試験(膵がん)が実施されている。今回の主催者セミナー『さらに実用化に近づいた遺伝子治療』では、『遺伝子改変T細胞療法の夜明け』と題して、遺伝子改変T細胞療法について、遺伝子医療事業部門の木村正伸本部長が講演する。遺伝子医療事業部門では、独自技術である「レトロネクチン®法」や「siTCR®ベクター技術」などを活用し、がんなどを対象とする遺伝子治療の臨床開発プロジェクトを進めている。

レトロネクチン®法は、米国インディアナ大学と共同開発したリンパ球への遺伝子導入法であり、遺伝子治療の商業化を目指す多くの企業にライセンスされている。

siTCR®ベクター技術は、がん抗原を認識できるTCR遺伝子を導入した自己リンパ球を患者に戻し、がん細胞を死滅させる治療法で使用される技術であり、副作用リスクの低減、有効性向上につながると考えられている。タカラバイオではこれらの技術を用いて、滑膜肉腫を対象としたNY-ESO-1・siTCR®遺伝子治療の臨床試験などを実施しており、2020年度の商業化を目指している。

遺伝子治療の実用化が目の前(夜明け)に迫っている中、どのような課題が残されており、企業としてどう取り組んでいるのかについて、主催者セミナーで紹介する予定だ。

再生医療等製品の開発・製造支援「CDMO事業」

▲遺伝子・細胞プロセッシングセンターでの作業風景

タカラバイオが注力するもう一つの事業が、再生医療等製品の開発・製造支援サービス、CDMO事業である。同事業では、GMPやGCTPなどの製造・品質管理基準に準拠した遺伝子治療用ウイルスベクターや細胞加工の受託製造・開発、品質試験・安全性試験、セルバンクの製造・保管など、再生医療における開発・製造のパートナーとして付加価値の高い受託サービスを提供する。また、遺伝子解析のサービスも充実させ、基礎研究から産業応用までワンストップで支援している。

『再生医療等製品の開発、実用化とその課題』と題したスポンサーセミナーでは、京都大学iPS細胞研究所未来生命科学開拓部門の髙島康弘特定拠点講師による『実用化に向けたヒトナイーブ型iPS細胞に関する最新知見』と、国立成育医療研究センター研究所成育遺伝研究部の小野寺雅史部長による『実用化が進む遺伝子細胞治療の世界情勢とその課題』の2講演が開催される。あわせて、タカラバイオのCDMセンターの蝶野英人部長による『再生医療等製品の製造と品質確保』についても紹介される。

タカラバイオでは、再生医療等製品の開発・製造施設の設備投資にいち早く着手し、2014年10月に滋賀県草津市に遺伝子・細胞プロセッシングセンターが、2017年4月には神奈川県に同LIC分室が稼働した。さらに、拡大するCDMOの需要に応じ、新たな再生医療等製品の研究・製造施設を2019年9月に竣工させる予定だ。

シングルセル解析システムの新製品

▲SMARTer ICELL8® cx

タカラバイオは2017年に、超微量DNA解析技術を有するRubicon Genomics社と、シングルセル解析システムを有するWaferGen Bio-systems社を買収し、相次いで子会社のTakara Bio USA社に吸収合併した。

シングルセル解析とは、細胞群や組織を一細胞に分離してから遺伝子解析を行うことであり、多くの細胞種からなる脳やがん、iPS細胞などの研究では欠かせないものとなりつつある。タカラバイオは2社の技術を活用し、2018年3月、シングルセル解析システム「SMARTer™ ICELL8® cx」の発売を開始した。同システムは1回の操作で約5,000個のウェルに細胞を分注し、1,200~1,500個の細胞をシングルセル化、さらに画像処理によって生きた細胞を選択的に取得する。今後、RNA-SeqやTCR解析などのアプリケーションが想定される。ランチョンセミナーでは、東京大学大学院新領域創成科学研究科の鈴木穣教授を招き、『シングルセル解析の最前線』と題したセミナーを開催し、シングルセル解析の最新の情報が提供される予定だ。

異業種からの訪問も歓迎

タカラバイオは、遺伝子医療とCDMO事業を成長エンジンとして、事業の拡大を目指す。また、新たなアイデアを取り入れてさらなる成長を実現するため、パートナリングなどによる異業種との交流も希望している。再生医療の分野では、これまでの生命科学の基礎的な知見だけでなく、製造・品質管理といった実用的なアプローチなども欠かせない。ベストプラクティスの技術をお互いの業界で横展開することで、それぞれの業界に大きな進展をもたらすと期待を寄せている。パートナリングプログラムや当日の直接の交流を通じて、ネットワークをさらに広げたいとしている。

 

取材・文:GH株式会社 島田